ヒト、モノ、カネの考え方:どれから?

ヒト、モノ、カネの考え方:どれから?

目次

  • 経営とは
  • 経営資源その1:モノ
  • 経営資源その2:カネ
  • 経営資源その3:ヒト
  • Tips

経営とは

一口に「経営する」といっても、人ぞれぞれに色々な定義があると思います。なぜ、経営学や経済学という学問が存在するのでしょうか?

まず、学術的な観点からの「経営」ですが、「常に変化する内外の環境において組織をいかに効率的に運営するか」を解明する学問である、という定義があります。上述の定義における「内外環境の変化」もさることながら、「資源が有限であること」を意識し経営判断を行うことが、重要なポイントになると考えています。

・経営資源について

一般的には、会社の経営資源は、ヒト、モノ、カネ、の3つの側面から整理できるとされています。最近では、それに加え、「情報」の要素も追加されることが多いですね。もう一つ、有限性という意味においては、「時間」という概念もありますが、こちらは前提条件としては、公平性が担保されているので、ここでは一旦、横に置いておくとします。

・市場との関連性

上記で整理した経営資源は、さまざまな市場とリンクしています。すなわち、労働市場(ヒト)、商品市場(モノ)、金融市場(カネ)です。では、それぞれの市場(経営資源)における、特徴や重要性について確認していきましょう。

経営資源その1:モノ

何か事業を行う際に、まず最初に着目するのは、モノ=商品市場となりますね。ここでは、「何をサービスとするか?」「そのサービスで売り上げを獲得できるのか?」というような問に対する答えが求められます。

よく言われるのは、稼ぎ頭となる、マスターピンの確立および設定が重要となります。理論上は、起業(新規事業の開発)をするにあたって、その事業のマスターピン(=事業のコア)が確立された状態で事業が開始できると、経営面はとても安定しますが・・・

世の中そんなに甘い世界ではないので、「モノ」以外の経営資源として、「ヒト」「カネ」の確保もしなければなりません。

経営資源その2:カネ

近年の起業トレンドとしては、事業の確立前にアイデア(proof of concept)を出し、投資家やベンチャーキャピタリストなどを前にプレゼンを行い(いわゆるアイディアソンやピッチなど)、起業に挑戦する場合があります。

すなわち、経営資源として「カネ」を持ち合わせていない起業家が「自己資本」の調達を目指し、オーディエンスに対して事業のスケーラビリティを主張し資金調達に挑戦する、ということになります。

・自己資本とは

次の3側面からの資金を合算したもの、と整理することができます。

  1. 自己資金:言葉どおり、自らで持っている既存の資金
  2. 第三者からの出資:投資やクラウドファンディングによる資金調達
  3. 他人資本:融資とも言える銀行等からの借入金

・資金調達を実現するには

個人投資家、機関投資家、事業会社、金融機関など、さまざまなプレイヤーが存在している金融市場において、資金調達の達成度については、以下の方程式によって算出できると考えます。

【資金調達の達成度】

=起業家の魅力×事業アイディア

=創業者としての熱意×人望×能力

経営資源その3:ヒト

ここまで、経営資源のうち、「モノ」「カネ」の側面から、その考え方や重要性について考察してきました。ブレイクダウンをしていくと、最終的には「ヒト」に行き着くことをご理解いただけるかと思います。

すなわち、モノ=事業、カネ=潤滑油・先行投資、を確立したとしても、それは、起業家+αの小さい組織にすぎず、事業の大きな拡張性は期待できません。結果として、会社経営=組織経営となり、一番重要となる「人材(財)」の確保に移ろっていく、ということになります。

・経営者とサラリーマン

経営者とサラリーマンでは、求められる能力が全く異なります。例えば、一般論としては、さまざまな「リスク」に対して許容する力、などがあげられると思います。

どちらの立場でも実務経験のある筆者(わたし)の原体験から考察すると、経営として最も重要なスキルは、以下にあると痛感しております。

【組織のリーダーとして】

組織を拡張できる力=仲間にまかせる力

具体的な内容については、別のBlog記事に詳細を記載していきたいと思います。要すると、経営者になったタイミングで、自分自身が「サラリーマン思考」に陥っていることに気がつかず、とても苦労した、という経験談になります。

Tips

これまでの内容を整理すると、起業を目指し奔走する際に、次のような思考プロセスで努力し、その都度に挫折を経験しながら対応していく、ということが言えると思います。

  1. 商品市場での事業成立を目指す(=簡単にはコア事業を確立できない)
  2. 金融市場での資金調達を目指す(=資金はあくまでも事業の潤滑油にすぎない)
  3. 労働市場での人材確保を目指す(=人材を確保し「事業を任せる力」が必要)

幸運にも、商品市場で成功し、金融市場での資金調達も達成したのであれば、経営者ひとりの能力から、数十倍もの力になり得る「ヒトの力」を借りて事業をスケールさせる、という経営者の思考に自分自身もアップデートさせる必要があります。

具体的には、採用する人材(=従業員)が十分に力を発揮できる環境を整えることが重要となります。すなわち、まかせる経営依頼するジョブアサイメントの区分け組織が自走化するための胆力・戦略・戦術、が肝要であると認識しています。

巷で話題となる経営に関する書籍は、「戦略論」と「リーダーシップ論」に大別できますが、サラリーマンから経営者になった際に、リーダーシップ関係の本を読み漁った記憶があります。これは、上述の環境整備を実施しようとする際に、私自身がものすごく苦労した経験の裏返しとも言えます。 

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